東洋構造コンサルタント株式会社 1級建築士事務所
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京町家解体の事前届け出を義務化
 京町家の減少を止める方策を検討してきた京都市の諮問機関「京都市京町家保全・活用委員会」(会長:高田光雄・京都美術工芸大学教授)は、京町家の取り壊しに関する事前届け出制度の創設などを柱とする答申をまとめ、5月2日に提出した。

 市は答申を踏まえて「京町家の保全及び継承に関する条例(仮称)」案をまとめ、9月の市議会に提出する方針。2017年度中に条例を制定、18年度から段階的な施行を目指す。
 京町家とは主に、戦前に市街化された地域に立つ、伝統的な軸組み木造の家屋を指す。
 答申では、京町家が滅失する背景として、所有者に支援策や活用方法などが十分に浸透していないことを指摘。保全・継承に向けて2つの施策を提案した〔図〕。 1つは、支援策の充実。市が所有者に活用方法の情報を提供するほか、資金的、技術的課題の負担を軽減、子育て支援など社会的な活用を検討することなどを挙げた。
 また、京町家の売買や賃貸の仲介時に、不動産事業者からも保全・継承・活用に向けた働きかけを求め、努力義務化する。
 もう1つの施策が、市が取り壊しを事前に把握するための届け出制度だ。市内全ての京町家を対象として、努力義務化するとした。
 特に、市が線や面で区域を指定、あるいは建築単体を指定した京町家は、届け出を義務化する。取り壊す場合は、原則として届け出後、1年間は解体に着手できない。区域指定や単体指定は、市が第三者機関と審議して決め、所有者の同意を必要としない。
 制度開始段階では、歴史的景観保全修景地区や、界わい景観整備地区などを区域指定することを想定。区域は順次拡大する方針だ。
 建築単体で地域の象徴的な存在である場合などは、その1件を失うだけで街の景観が大きく変わる可能性があるので単体指定を行う。「規模が大きいものや、細部まで改修が必要なものなどが対象となりやすい。補助金や活用方法の提案など手厚い支援策を検討している」と、同市京町家保全活用課の関岡孝繕課長は言う。
 手厚い支援策を取る一方で、罰則も設ける。届け出なかった場合や、届け出後1年以内に解体に着手した場合は5万円以下の過料を科す。
 ただし、罰則を科すことは委員の間で賛否が分かれた。解体着手まで1年間の制限があることと合わせ、「所有者への負担が重過ぎるのではないか」という指摘があがった。答申 では罰則を定めることには検討を要するとした。

 市が保全に力を入れるのは、京町家の解体が相次ぐことへの危機感があるからだ。市が5月1日に発表した調査結果によると、市内に残存する京町家は4万146件。08~09年度の調査結果と比べると、5602件が滅失し、調査不能などは1987件に上った。「スピード感を持って条例の施行を目指したい」と関岡課長は話す。(菅原由俵子)


〔図〕解体1年前までの届け出を義務化
〔京町家の保全・継承を推進するための支援策〕 (資料:下とも京都市の資料をもとに本誌が作成)
(1)継続的な働きかけ
・所有者が抱える不安や悩みを的確に把握し、市の支援策の周知や、活用事例集を利用した、
 様々な活用方法などの情報提供などを行い、京町家の保全・継承を働きかける
・売買、賃貸の媒介時に、不動産事業者からも働きかけてもらう
(2)所有者の負担軽減
・資金的な課題や、技術的な課題など、所有者が抱える負担を軽減するための支援策を講じる
(3)事業者や市民活動団体などと連携した継承・活用の推進
・京町家データのオープンソース化など、事業者や市民活動団体などが自主的に働きかけやすい
 環境整備を行う
・事業者や市民活動団体などと連携し、活用方法の提案や、活用希望者とのマッチングを実施する
+
〔京町家の取り壊しに関する事前届け出制度の概要〕
(1)市内全ての京町家
・取り壊そうとする者に対して、あらかじめ、市に届け出を行うことを努力義務化すると共に、
 保全・継承を推進するための支援策を講じる
(2)京町家が集積し、趣ある町並みが形成されている地域、または京都らしい文化が
   継承されている地域に立地する京町家(線や面での指定)
・区域を指定(有識者などで構成する審議会で、別途審議のうえ決定)したうえで、市への届け出を
 義務化する。保全・継承を推進するための支援策に加えて、既存施策の上乗せなどを実施する
・届け出後、原則として1年間は取り壊しできない
・制度開始段階では、歴史的景観保全修景地区と界わい景観整備地区を想定(制度の運用状況を
 検証しながら、指定区域を順次拡大)
・区域指定に当たって所有者の同意は求めない
(3)景観の形成または文化の継承に重要な京町家(単体指定)
・個別に指定(有識者などで構成する審議会で、別途審議のうえ決定)したうえで、市への届け出を
 義務化する
・保全・継承を推進するための支援策に加えて、既存施策の上乗せ、新たな支援策を実施する
・届け出後、原則として1年間は取り壊しできない
・単体指定を行う京町家について、届け出を行わなかった場合や届け出後1年以内に取り壊しに
 着手した場合は、過料を科す
・単体指定に当たって所有者の同意は求めない



ソース :
日経アーキテクチュア 2017_5-25
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