東洋構造コンサルタント株式会社 1級建築士事務所
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新耐震木造の耐震性能を簡易にチェック
 熊本地震で新耐震基準の導入後に建てられた木造住宅に一定の被害があったことを受け、国土交通省は5月16日、「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」を公表した。所有者やリフォーム事業者ができる簡易な診断法を記したのが特徴。対象は、2階建て以下の在来軸組み構法の木造住宅で、1981年6月から2000年5月までに建築したものだ。
 新耐震木造住宅検証法は耐震診断と異なり、住宅所有者などの調査を前提に、専門家による現地調査を省略する。このため、利用者の誤解を生まないよう「耐震診断」とは表現せず「耐震性能検証法」とした。
 検証法の具体的な内容を検討したのは日本建築防災協会に設置した「木造住宅等耐震診断法委員会」(委員長:坂本功・東京大学名誉教授)だ。国交省は2016年10月にガイドラインの大枠を示しており、「接合部」や「壁量」などについて調査手法を議論してきた。
 国交省住宅局建築指導課の松本潤朗企画専門官は、「耐震性能の検証は2段階で構成している。まずは住宅の所有者などが簡易なチェック項目を確認する。そこで問題があると判断した場合に、所有者が図面や現地の写真などを、耐震診断の専門家に送って判断を仰ぐ仕組みだ」と説明する。

 所有者などによる検証の方法では、目視確認や簡易な計算だけで耐震性能を検証できるようにした。検証項目は「平面・立面の形」「接合部の金物」「壁配置のバランス」「劣化の状況」の4つ。いずれも適合していた場合は、「耐震性あり」との判断になる。
 例えば、平面や立面の判断基準は、チェックシートで例示された形状と比べて判断する。目視で確認できる平面での極端な凹凸や、立面でのオーバーハングなど不整形な場合は、耐震性が疑われるとみなす。  壁の配置バランスは、1階外壁を計測して確認する。外壁1辺の全長に対する無開口壁の長さが3割超であれば合格だ。4面を覆うすべての外壁で条件を満たす必要がある。所有者が外壁と開口部の長さをメジャーなどで計測して独自に算出する。基礎や外壁の劣化については、著しいひび割れの有無を目視で点検する。
 しかし、建築に詳しくない人にとっては、判断が難しい項目もある。接合部の金物だ。国交省の検証法には「小屋裏や床下などを目視で確認」と記載されているが、「どの部分をチェックすればよいか」の判断は難しい。断熱材に接合部が隠れている場合などは、該当部位を剥がして確認すべきかの判断に迷うだろう。

 所有者などが「耐震性あり」と判断が下せない場合に、専門家に耐震性能の検証を依頼する。検証を担う専門家は耐震診断と同様、建築士などを想定している。所有者は平面図などの図面、外観や接合部の写真、劣化状況を記入したチェックリストを専門家に提供する。その情報に基づいて、専門家は現地調査を経ずに耐震性能を判断する。
 耐震診断と耐震性能検証法では費用に差が出る。耐震診断の場合は半日から1日程度の実地調査が必要となるため相応のコストがかかる。松本企画専門官は、「一般診断法では10万円から20万円の費用が必要になると聞く。新たな検証法では専門家が現地に赴かないためコストが抑えられるとみている」と話す。
 新耐震基準といえども、1980年代に建てた木造住宅は築30年を超える。国交省はリフォームやインスぺクションの機会に新耐震木造住宅検証法を活用することを推奨している。今後、自治体や建築関係団体などを通じて所有者、リフォーム事業者、設計者などに周知するとともに、耐震診断の専門家などを対象とする講習会を実施する予定だ。(江村英哲)
















ソース :
日経アーキテクチュア 2017_6-8
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