東洋構造コンサルタント株式会社 1級建築士事務所
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過去の記事一覧
ぎふメディアコスモス悩ます「8つの不具合」
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熊本地震の地震動データを捏造か
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階段の寸法基準を緩和
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コストコ崩落事故で設計者3人不起訴
過労自殺が伝えた「新国立」の現実
震度4で天井損傷も「過失はなし」
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京町家解体の事前届け出を義務化
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耐震補強の妥当性認められず校舎閉鎖
熊本地震からの宿題  建物の「地下」に死角あり
アスクル倉庫火災 防火シャッター閉鎖せず
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温水プールの天井材落下が相次ぐ
九段会館、天井崩落メカニズムを推定
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熊本県益城町、市街地に建築制限
建設中「地下室マンション」確認取り消し




最新の記事一覧
熊本地震のブロック塀倒壊で刑事告訴
 熊本地震で倒壊した工作物を巡る初の刑事告訴状が10月31日に熊本県御船警察署に提出された。2016年4月14日の前震で倒壊したコンクリートブロック塀の下敷きになって死亡した男性(A氏、当時29歳)の遺族と、重傷を負った被害者の女性(B氏、当時57歳)が、塀の所有者を過失致死罪の容疑で告訴した。
 被害者の代理人を務める今村一彦弁護士は次のように説明する。「被告訴人には所有者として安全基準を満たさないブロック塀を撤去するなど、危険の発生を防ぐ注意義務があった。これを怠り漫然と放置していた行為は、過失敦死罪に当たる」
 告訴に踏み切った理由についてB氏は「こうした惨事を繰り返さないために、責任の所在をはっきりさせる必要がある」と訴える。
 今村弁護士によると、同署は告訴状をコピーしただけで、提出時には受理しなかった。今後捜査を進めて、受理するかどうかを決めるという。
 告訴状などによると、ブロック塀の所有者は、熊本県益城町惣領地区にある社会医療法人の理事長だ。ブロック塀は高さ2.15m、長さ10m以上で理事長宅の敷地を囲っていた。塀の北東側に隣接する約2m低い敷地にB氏が住む集合住宅が立っており、集合住宅の敷地から塀の上端までの高さは、最高で4.15mに達していた。
 前震が発生した日の午後9時26分にA氏と勤務先の同僚であるB氏が集合住宅の敷地内にいたところ、ブロック塀が倒壊。A氏は暗闇の中で落ちてきたブロックの下敷きとなり、即死した。
 B氏もブロックの下敷きになり、身動きが取れなくなった。約3時間後に救出され、病院に搬送されたが、左下肢多発解放骨折などの重傷を負い、7カ月間入院した。後遺症が今も残る。
 倒壊した塀は、間知石でつくられた高さ2mの擁壁に、コンクリートブロックを10段増し積みした構造だ。擁壁の側面だけに縦方向の補強用鋼材を設置していた。ブロック塀には鉄筋を入れていたものの、基礎は設けていなかった。ブロックと擁壁は、間知石の天端に鉄筋を挿入する差し筋でつないでいたとみられる。
 建築基準法施行令62条の8では、補強コンクリートブロック造の塀について規定している。「高さ35cm以上で根入れ深さ30cm以上の基礎を設ける」「一定のスパンごとに控え壁を設ける」といった内容だ。
 崩れたブロック塀は1971年に設けられたこの規定を満たしていなかった。同年以降に施工されていれば、建基法違反の疑いがある。
 この現場のように、擁壁の上にブロック塀を建てる場合には、基礎を設けない事例が少なくない。建基法には塀の高さの規定がある半面、擁壁と組み合わせた場合の規定はない。そうした事例では、ブロック塀と擁壁の接合部が弱点となって、倒壊を招く危険性が見逃されやすくなる。
 周辺住民は地震が発生する前から、「危険だから塀を撤去してほしい」と被告訴人に伝えていた。この経緯を踏まえて、今村弁護士は「被告訴人がブロック塀の危険性を認識していた」と主張する。
「告訴するまでの間、被告訴人から謝罪や見舞いなどの連絡がなかった点も許せない」とB氏は憤る。これに対して被告訴人が理事長を務める社会医療法人は「ご冥福をお祈りする。大災害の中での事故という認識だった」と弁明している。
 告訴人2人は年内をめどに、被告訴人に対して損害賠償を求める訴訟を起こす予定だ。
 ブロック塀の倒壊による死亡事故は、過去の地震でも繰り返されてきた。76年の宮城県沖地震では、死亡した16人のうち11人がブロック塀の犠牲となって死亡した。2005年の福岡県西方沖地震でも1人が亡くなっている。宮城県沖地震を踏まえ、1981年の新耐震基準では、ブロック塀の高さを3mから2.2mに下げるといった規制強化が図られた。(荒川尚美)



























ソース :
日経アーキテクチュア 2017_11-23
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