S造大規模工場の耐震診断
昭和40年以前に建設された大規模な鉄骨造の工場や倉庫は、柱梁部材をアングル材などで組立てたトラス構造で大空間を構成し、大型の走行クレーンなどを積載した建物が多く存在しています。この様な複雑な架構の耐震診断では、荷重条件を明確にすると共に複雑な架構を省略せずに1本1本の部材を忠実にモデル化する事で正しい診断結果に繋がり、不必要な補強を回避出来ます。
RC造建物の耐震診断
RC・SRC造の耐震診断では、1次・2次・3次診断と有り、診断次数が高く成るほど診断精度が高くなります。一般的に1次診断は、補強要否の目安となっていて、この診断結果での補強は行いません。2次診断では鉛直部材(柱壁)の水平耐力、3次診断では梁を加えて建物の保有水平耐力を計算します。但し、被災建物の多くが鉛直部材の崩壊が原因で崩壊している事から一般的に2次診断に壁の回転・梁の先行崩壊・下階壁抜けなどの3次診断的検討を付加して診断を行っています。
S造屋内運動場の耐震診断
S造やRC造の屋内運動場では、柱脚を固定とする片持ち柱構造とし、立体トラス構造などで構成する屋根を柱に載せた構造が多く見られます。この様な片持ち柱構造の耐震診断では、柱の崩壊が建物崩壊に直結するため、柱を第2種構造要素として扱い、柱脚部の固定度や水平耐力評価に注意する必要が有ります。
土木施設の耐震診断
上下水道の土木構造物の耐震診断では、現在の新築設計技術で遡及検討を行います。検討方法が異なる事や設計当時の水平耐力が低い事で、ほぼ全ての施設に補強が必要となっています。