建物の強度や粘りに加え、形状や経年状況を考慮した耐震指標(Seisimic Index of Structure)を『Is値』と言い、過去の地震被害の研究からIs値は0.6以上あれば安全と判定されています。
1968年十勝沖地震(M7.9、震度5)及び1978年宮城県沖地震(M7.4、震度5)で『中破』以上の被害を受けた鉄筋コンクリート造建物の2次診断を比較した結果、震度5程度ではIs値が0.6以上の建物に『中破』以上の被害が生じていないこと、またIs値が0.6を下回るに従って被害を受けている場合が多いとの結果によるものです。
●Is値と大地震の被害比較
・Is値が大きくなると被災度は小さくなります。
・Is値が0.6を上回れば被害は概ね『小破』以下となっている。
・Is値が0.4から0.6の建物では多くの建物に『中破』以上の被害が生じている。
・Is値が0.4以下の建物の多くは『倒壊』または『大破』している。
耐震改修促進法ではIs値≧0.6についての安全性とは「地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が低い」と評価されるものとなっています。
※地震被害ランク
『軽微』 … 二次壁の損傷もほとんど無い
『小破』 … 二次壁にせん断ひび割れ
『中破』 … 柱・耐震壁にせん断ひび割れ
『大破』 … 柱の鉄筋が露出・座屈
『倒壊』 … 建物の一部又は全体が倒壊