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高層マンション「タイル剥落訴訟」が和解
 地上20階建てのマンション「アパタワーズ神戸三宮」の外壁タイル剥落を巡り、管理組合が発注者と設計・監理者、施工者の3者に計約2憶4000万円の損害賠償を求めた訴訟が1月13日、大阪地方裁判所で和解した。アパホーム(金沢市)と大木建設(東京都江東区)が計約1憶1540万円を管理組合に支払う。
 訴状によると、このマンションは2005年10月に竣工した。アパホームが発注し、設計・監理はイズムアソシエイツ(19年に破産)が担当。元請けはアパ建設(09年に解散)で、大木建設が下請けとして工事を担った。
 15年3月、マンション14階バルコニー下部の外壁タイルが幅約1.5mにわたって剥落。真下にある4階のベランダで破片が見つかった。
 管理組合は別の建設会社に補修を依頼。工事の過程でタイルの浮きが外壁全体の約15%の範囲に及ぶと分かった。管理組合は1級建築士の藤田雅巳氏に原因調査を依頼。藤田氏は、タイルの施工時に目荒らしなどをしていないこと、竣工後10年程度で劣化が3~5%の範囲に収まれば経年劣化と言えるが、浮きや剥落は10%以上で見られることなどから施工不良が原因と結論づけた。
 管理組合はアパホームや大木建設などに補修工事費などの支払いを要求。しかし、アパホームなどは経年劣化だと主張して応じなかった。そこで管理組合は17年12月、アパホームなどを相手取り、大阪地裁に提訴した。(18年3月に原告を変更)。

 原告側代理人の箭本賢司弁護士によると、争点となったのは外壁タイルの工法だ。製品使用説明書には躯体にモルタルを塗ってこすりつけ、タイルにもモルタルを塗って張るよう記載があるが、大木建設は躯体にモルタルを塗っておらず、この工法でも問題ないと主張したという。
 その後、大阪地裁は20年10月に和解を提案。大木建設が1億1000万円、アパホームが約540万円を管理組合に支払う条件で和解が成立した。「和解を受け入れたのは、施工不良を認めたということだろう」
(箭本弁護士)。アパグループと大木建設は本誌の取材に対し、「コメントは差し控える」などと回答した。管理組合への謝罪などは予定していない。
 この建物では07年に耐震強度不足が発覚。14年の耐震改修で専有部の面積が減ったことへの損害賠償について、管理組合とアパホームの間で交渉が続いている。 (森山敦子)

 

 



ソース :
日経アーキテクチュア 2021_2-25
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